衛星データと計算による世界の降水予報-理研とJAXAのwebで5日後までのリアルタイム降水予報を公開-(小槻峻司准教授)

−理研とJAXAのwebで5日後までのリアルタイム降水予報を公開−

理化学研究所(理研)計算科学研究センターデータ同化研究チームの三好建正チームリーダー、千葉大学環境リモートセンシング研究センターの小槻峻司准教授、東京大学大気海洋研究所の佐藤正樹教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)第一宇宙技術部門地球観測研究センターの久保田拓志主任研究開発員らの国際共同研究グループ※は、人工衛星による世界の降水観測データ(JAXAの全球衛星降水マップ(GSMaP))を生かした5日後までのリアルタイム降水予報を、理研の天気予報研究のウェブページおよびJAXAの降水情報ウェブページ「GSMaPxNEXRA 全球降水予報」で8月20日から公開します。
国際共同研究グループは、JAXA地球観測研究公募などで衛星降水データを用いた地球全体を領域とする降水予測研究を行ってきました。今回、降水予測の高度化を目指し、降水ナウキャスト[1]と数値天気予報[2]という二つの異なる予測手法に基づいた全球降水予測システムを開発しました。さらに、この二つの予測データを統合する新たな手法を開発し、これらをリアルタイムに継続運用することで、5日後までの世界各地の降水予報を実現しました。この予報は、従来の天気予報では活用されてこなかった人工衛星による降水観測データを直接利用するもので、研究開発に着手した2013年4月以降得てきたさまざまな成果を統合した集大成となります。人工衛星による降水観測データを利用することで、地上に設置する雨量計やレーダーなどの降水観測が限られている地域を中心に、地球規模で増大している大雨や渇水などの予測情報としての活用が期待されます。今後、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて降水予報の更なる高度化に取り組みます。

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