年報:2018年度(平成30年度)

はじめに
気候変動や、それに付随して生じる極端気象災害、水資源や食料の問題、様々な原因による環境汚染、そして持続可能な社会システムの構築は、人類社会が直面する喫緊の課題と言えます。これらの問題は地域の問題であると同時に広域の問題でもあり、環境リモートセンシングに密接に関わるテーマです。人工衛星からのリモートセンシングは、広域の地球環境を同時に、かつ継続的に観測する手段として、地球環境のモニタリングにおいて欠かせない技術となっています。
千葉大学環境リモートセンシング研究センター(CEReS)は、リモートセンシングを利用した「地球環境学」の発展に寄与することを目的として平成7(1995)年に全国共同利用施設として発足し、それ以来、衛星データやそれに関連する環境情報データを蓄積・公開し、日本や東アジアから世界レベルに広がりをもったリモートセンシング研究と、それを利用した環境研究の一層の発展をめざした活動を行って今日に至っています。リモートセンシングは、その分野としての特性から、地理学、気象学はもとより、水文学、大気化学、大気放射学、農学、園芸学、土木工学、都市環境工学、応用光学、応用物理学、電気電子工学など、多くの学術分野との関連をもっています。CEReSは、こうした様々な分野の研究者との共同研究のネットワークを通じて、衛星リモートセンシング及びそれに密接に関わる様々な環境データの観測、校正、解析を行って「診断型の地球環境研究」を発展させるとともに、その研究成果の社会的課題への適用を進めています。

nempo2018-H30-Vol24

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