千葉大学環境リモートセンシング研究センターの入江仁士 准教授らは、世界に先駆けて地上リモートセンシングにより大気境界層(PBL)注1)中のオゾン(O3)とそれが生成される前段階となる気体(前駆気体)の濃度を同時に観測する技術を開発しました。これを用いて、千葉市とつくば市において2013年より7年に及ぶ長期連続観測を実施し、年々の濃度変動傾向を定量的に調べました。すると、千葉市においてO3の前駆気体の濃度は年率6~10%の速度で急激に減少していましたが、O3の濃度には有意な減少は認められないことが明らかになり、より一層の国内の大気汚染対策が必要なことが示唆されました。本手法による観測結果に基づき大気汚染対策を進めることで、脱炭素化も同時に進み、温暖化対策に貢献できるものと期待されます。
本研究成果は、2021年5月6日に日本地球惑星科学連合(JpGU)の英文電子ジャーナルProgress in Earth and Planetary Science (PEPS)に掲載されました。
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