生物多様性保全のための科学的根拠を集約(科学誌サイエンスに総説掲載)(市井和仁教授)

千葉大学環境リモートセンシング研究センターの市井和仁 教授が参画する国際共同研究チ
ームは、動植物の減少につながる間接的な要因に対処するため、緊急に科学者たちが介入すべ
き点を数値データに基づいて特定しました。同チームは、生物多様性及び生態系サービスに関
する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)により2019 年5 月に出版された「全球評価
報告書」の内容を基に各領域の専門家による最新の知見を追加しました。この成果は、12 月
13 日に科学誌「サイエンス(Science)」に総説(Review Article)として掲載されました。

■ 生物多様性保全のための国際動向
人間は地球上の生態系の中で他の動植物の恩恵を受けながら生活していますが、現在、絶滅
のリスクに瀕する動植物の種類は増え続けており、生物多様性の損失を食い止める手立てを講
じることが急務の課題となっています。この課題に取り組むため、国連加盟国の政府間組織と
して 2012 年に IPBES が設立されました。2010 年に生物多様性条約会議でまとまった愛知目標
の期限が 2020 年に終了することから、IPBES の全球評価報告書は、次の 10 年に向けて各国政
府が合意するための交渉の基盤となります。千葉大学からは、市井和仁教授が同報告書の執筆
に参加しており、人工衛星による陸域植物の変動モニタリングを通して、植物による温室効果
ガス吸収能力と気候変動への影響を把握する専門家として貢献しています。

20191223ipbes

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