ひまわり8号の地表面温度推定システムをアップデート ~より正確な「地球の熱症状」の診断が可能に~(山本雄平特任助教)

千葉大学環境リモートセンシング研究センターの山本雄平特任助教らは、国際共同研究により、気象衛星ひまわり8号から地表面温度を推定する際にどの推定アルゴリズムが最適であるかを、数値モデルや地上観測、国際宇宙ステーション観測のデータを用いた比較検証によって明らかにしました。

標準的な観測環境下では、検討したいずれのアルゴリズムも良好な精度を示しました。一方、観測角度が高いケースや高温湿潤大気のケースといった、推定における不確実性が増大しやすい環境下では、Yamamoto et al. (2018)で考案されたアルゴリズム(YAM)の推定精度が最も高いことが分かりました。例えば、中国の内陸域や東南アジアの熱帯域、オーストラリア大陸の乾燥域で日中の地表面温度を推定する際には、YAMは他のアルゴリズムよりも誤差を1.0 ℃以上低減できます(図1)。この結果により、ひまわり8号地表面温度プロダクトの信頼性向上や陸域植生環境の診断精度向上などが期待されます。

本成果は国際学術誌「ISPRS Journal of Photogrammetry and Remote Sensing」に掲載されました。

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