2025.4.2-4 Météo-France、Observatoire Midi-Pyrénées/LEGOS訪問

4月2、3日にMétéo-France、4月4日にObservatoire Midi-Pyrénées/LEGOSを訪問しました。いずれもフランス・トゥールーズにあり、近隣にはCNESやCNRSの関連施設が複数あります。Météo-Franceは3度目の訪問(最初の訪問はフランス同時多発テロ事件の翌々日というタイミングでした...)、Observatoire Midi-Pyrénéesは初めの訪問でした。
訪問の目的は、齋藤研究室でリトリーバルアルゴリズムの開発を行っているGOSAT-2の一酸化二窒素(N2O)と、CNRS/Météo-FranceのP. Ricaud博士およびトゥールーズ大学のJ-Luc. Attié教授が開発したリトリーバルアルゴリズムで処理したIASIのN2Oの相互比較と、衛星N2OデータをN2Oの収支推定モデルに同化して地表フラックスを最適化する研究についてのディスカッションです。GOSAT-2やIASIの熱赤外バンドは、残念ながら地表付近の大気分子の濃度にあまり感度はないのですが、たとえIASIで観測した上層大気のN2Oデータであっても同化することでN2Oの地表フラックスを最適化でき、大気中のN2O濃度の再現性も向上するという結果が得られています。GOSAT-2はIASIよりも下層大気のN2O濃度に感度があるため、GOSAT-2のN2Oデータを同化することで、さらに地表フラックスを最適化できるのではないかと期待して共同研究を進めています。私は招待を受けて三度、トゥールーズを訪れ、共同研究者のお二人も三度、千葉大を訪問してくれています。互いに行き来することで、メールのやり取りだけでは難しい詳細なディスカッションができ、今回も大変収穫の多い訪問となりました。
トゥールーズは、CNESの研究部門やエアバス本社など、航空宇宙産業で有名な都市ですが、「バラ色の街」と呼ばれる所以である赤レンガ造りの歴史ある建物が並ぶ大変美しい街です。やや肌寒い気候でしたが、今回もトゥールーズの美しい街並みを楽しめました。(N.S.)


Météo-Franceの正面ゲート。
CNES研究本部。すぐ隣にObservatoire Midi-Pyrénéesがあります。
トゥールーズの街並み。
世界遺産のサン・セルナン大聖堂。
ヴィクトル・ユーゴ―市場。泊まっていたホテルの目の前でした。
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